犬の祖先って?
犬の祖先はオオカミとする説が一般的です。
犬とオオカミのDNAの遺伝子配列を比較すると大きな配列の違いがないためです。
約1万数千年前中東で家畜化されたオオカミがその起源であるとする説が有力。
犬の祖先を知っておくことは、犬の習性を理解することに役立ちます。
人と犬の出会い
犬は最古の家畜(人の手で飼いならされた動物)であり、
歴史上、もっとも長く共に助け合ってきた
パートナーと言われます。
人は、犬の警戒心や攻撃力を活かし、
外敵に対する番犬や狩猟に利用しました。
これに対して犬は、人の食べ物の残りに
預かることで共存共栄を図ってきたと
考えられています。
その後、人の狩猟や外敵への番犬として
役立ちながら、人の仕事を手伝うために
犬種改良されてきた歴史を持っています。
純血種を選ぶ場合は、犬種がどのような
仕事をしてきたかを学ぶと、その犬種の
特性をよく理解することができます。
日本における犬とのかかわり合いは古く、
縄文時代初期(約1万1000年前)に
属する最古級の貝塚である
神奈川県横須賀市夏島町の
夏島貝塚から日本最古の犬骨が発掘されています。
発掘されたのは下あごの骨で、
柴犬くらいの大きさの小型犬である
“縄文犬”が飼育されていたと考えられています。
また、同じく縄文時代初期に埋葬されたとされる
国内最古の埋葬犬骨が、
愛媛県久万高原町(旧美川村)
上黒岩岩陰遺跡から発掘されています。
他にも、奈良時代(720年〜)に成立した
日本最古の歴史書である「日本書紀」や
平安時代初期(800年ごろ)に作られたとされる
日本最古の仏教説話集である「日本霊異記」にも
主人に忠実な犬や狐を退治する犬の話が登場します
日本犬と洋犬
明治時代から西洋犬の輸入がされはじめ、
純粋な日本犬が減少したことから、
昭和初期に日本犬を保存しようという機運が
起こりました。
柴犬・紀州犬・四国犬・甲斐犬・北海道犬・
秋田犬の登録を昭和7年(1932)に開始。
これらの日本犬は、
国の天然記念物にも指定されています。
日本犬は日本人が犬種改良ということを
してこなかったため、古来からほとんど
姿かたち・性質が変わらず、古代の形質を
良く残しているとされます。
対して西洋では、狩猟の用途(アナグマ・狐を
追い詰める巣穴から追い出す、羊や牛を囲い込む、
ネズミを捕る、水鳥を回収するなど)に応じて犬種を
改良してきました。
西洋では犬と仕事をする歴史が長く、
犬を訓練する・コントロールするという意識が
日本に比べて高いのが特徴です。
日本では一部狩猟や闘犬で活躍した他、
犬=番犬としての歴史が長く、飼い犬は
鎖でつなぐものという行政の規制ができた
(家庭動物等の飼養及び保管に関する基準。
環境省告示)こともあり、
「鎖につないでおけさえすれば良い」という考えが広まり、
犬のしつけ・訓練の意識が育ちにくい環境にありました。
近年、日本でも室内飼いや飼育者のマナー意識の
向上が進み、しつけや訓練の重要性が認識されるようになりました。