ブリーダーという職業を理解しましょう

ブリーダーさんから直接子犬・子猫を迎え入れることは、
社会化、価格、販売者の知識・経験の面などで大きな
メリットがあります。

しかしながらいくつかデメリットもあります。

よく見過ごされがちなのは、
コミュニケーションの不一致です。

これはブリーダーさんの職業に対する理解がないこと、
ブリーダー・お客様のコミュニケーション能力が問題です。

ブリーダー業というのは職人業であり、
けっしてサービス業ではありません。

職人業とは、自ら身につけた熟練した技術によって、
手作業でなにかを作り出すことを職業のことです。

サービス業とは、定義が難しいですが、効用や満足などを
提供する職業です。

ペットの販売において、おおまかにいうと、
ブリーダーという職業は、健康で理想的な姿形の
ペットを繁殖する職人業であり、
ペットショップという職業は、安心・安全な取引を提供する
サービス業であると言えます。

ブリーダーさんの中には、過去経験された職業の関係から
サービス業としての仕事も提供できる方もいらっしゃいますが
ほとんどのブリーダーさんは、「職人気質」で、お客様の要望に
事細かに配慮したり、こまめにコミュニケーションを
取ったりということは不得手です。
※一部の方がということで、全てのブリーダーさんに
あてはまるわけではありません。
ブリーダーさんの中には、とても細やかに配慮される方も
いらっしゃいます。傾向として、「職人気質」の方が、
他業種に比べて多いということです。

ブリーダー業というのは、動物が好きだけではとても
勤まらない職業です。
食餌や清掃、被毛や毎日の体調管理、
犬舎・猫舎の衛生管理、シャンプー、見学対応、
お届け対応など、一頭一頭手間暇かけなくてはならず
効率化がどれも難しい仕事ばかりで、休みもなく、
お産や体調不良の時は徹夜・睡眠不足は当たり前、
といった大変きつく労働時間がきわめて長い職業の
一つです。
そんなブリーダーさんの仕事への姿勢を
支えているものの一つに、プロフェッショナル意識があります。
その意識が、職人気質として、ブリーダーさんの
プライドに表れていると理解してください。

現実問題として残念ながら、お客様が女性、
ブリーダーさんが男性という場合で、
双方ともコミュニケーションが不得手である場合に
顕著ですが、
お客様がブリーダーさんの対応がそっけないと感じて、
取引がまとまらない、ということがあります。

お客様は、感情に配慮し、こまめに対応してほしいと願う反面、
ブリーダーさんは、プライドが高く、押し売りしたくないので、
依頼を受けた対応しかせず、また双方が要望を積極的に
言葉にしてコミュニケーションを取れない結果、コミュニケーションの
不一致で取引がまとまらなくなるのです。

これは、ブリーダーが職人業であることへの理解不足、
お客様とブリーダーのコミュニケーション能力の不足が
大きな原因です。

もう一つ理解しておかなければならないのは、
チワワ・ダックス・トイプードルなど、人気犬種の
一般的な毛色・血統の子を除き、犬でも猫でも
ブリーダーさんの売り手市場だということです。

お客様が競合するライバルは、他のお客様だけでなく、
ペットショップさんなどの業者さんも強力なライバルとなります。

価格が安く、心身共に健康なブリーダーさんの
子犬・子猫は、多くのお客様はもちろん、
業者も探しています。

そのため、極端な売り手市場なので、
誤解を恐れず別な表現をすると、ブリーダーさんの中には
「殿様商売」の方もいるのです。
※一部の方がということで、全てのブリーダーさんに
あてはまるわけではありません。

需給のバランスと市場構造を理解したうえで、
ブリーダーさんとお取引する必要があります。

個人的にはブリーダーのサービス向上も課題であると思い、
ブリーダーさんに対してお客様の要望するところを伝え、
改善をお願いしていっておりますが、
売り手市場で、職人気質の
ブリーダーさんから子犬・子猫を迎え入れたいと
なったら、お客様側がそれを理解して探す必要が
あるのが現状なのです。

もし、納得できないのでしたら他の方法でのお迎えも
検討するべきです。